アマゾンブックレビューの言論封殺システム 1



2008年04月09日
 
■ネットに言論の自由は存在しない!?アマゾンブックレビューの言論封殺システム


はてなダイアリーでブログを書き始めてから、3月27日で2年が経ちました。2周年を記念して、今までのことを振り返る記事を書いていきたいと思います。



当ブログは途中からブログ名を「blog*色即是空」に変更しましたが、初めは「マンガ嫌韓流の嘘を暴く」というタイトルで立ち上げ、山野車輪のコミック「マンガ嫌韓流」↓を批判した記事を書いていました。



マンガ嫌韓流

作者: 山野車輪
出版社/メーカー: 晋遊舎
発売日: 2005/07
メディア: ムック


韓国を批判した著書を出版すること自体は、間違いだとは思いません。どんな国にも批判されるべき部分はあるでしょうし、韓国もまた然です。しかしその批判の中身は十分に吟味されるべきで、批判に対する批判も行なわれるべきだと思っています。「マンガ嫌韓流」には『知れば知れるほど嫌いになる国、それが韓国だ!!』とか『韓国には誇れる文化が一つもない』というセリフが出てきます。これは正当な批判と言うことはできない、度を越した決めつけです。



さらに問題なのが事実誤認のオンパレードの歴史認識です。登場人物が『日本が韓国を併合するに到った理由を世界史の中で考えることが大切』と言いながら、日清戦争後に韓国がロシアに接近し、日本がいきなり韓国を保護国にした(後に併合)かのような描き方をしていますが、韓国併合を語る上で不可欠な日露戦争が抜けています。また、日露戦争前に行われた韓国の中立宣言を日清戦争前として描き、全く関係のない清への出兵要請と結びつけ「うわ汚すぎ……」と勘違いを元に批判しています。



5月10日には、反論本「『マンガ嫌韓流』のここがデタラメ」(コモンズ出版)↓が出版され記事を書いていく上で参考にさせていただきました。





『マンガ嫌韓流』のここがデタラメ―まじめな反論 不毛な「嫌韓」「反日」に終止符を!対話と協力で平和を!!

作者: 太田 修, 朴 一

メーカー/出版社: コモンズ

発売日: 2006-05

メディア: Book



今回はアマゾンでこの「『マンガ嫌韓流』のここがデタラメ」のブックレビューが削除されたことに関して、インターネット書店「アマゾン」とのメールのやりとり(5月23日~6月6日)を公開します。



まず、具体的にどんなことがあったかを説明します。



私がアマゾンに問い合わせしたきっかけは、私の友人から「投稿したレビューが掲載されなかった」「一度投稿された他の人のレビューもどんどん消えていっている」という連絡をもらったからです。



アマゾンに問い合わせ始めた後でわかったことなんですが、とある掲示板でネット右翼(嫌韓)と思われる人たちが、「『マンガ嫌韓流』のここがデタラメ」の高評価レビューを削除させるために、「このコンテンツをAmazon.co.jpに掲載しないほうがいいとお考えですか?」から「報告する」ボタンをクリックしようと呼びかけていました。実際にクリックしたら消えたとお互いに報告し合っているのも確認しました。



アマゾンの担当者は初め私に「ガイドライン違反でなければレビューが削除されることはない」という趣旨の建前(偽り)を繰り返していました。私が粘り強く問い合わせた結果、閲覧者が「報告する」というボタンをクリックさえすれば、それが一定数に達すれば機械的にレビューが削除されるしくみになっていることを認めました。



要約するとこうなります。



【偽り説明(建前)】

閲覧者から(報告する)ボタンがクリックされる→担当者に報告される→担当者がガイドライン違反かどうかチェックする→担当者の判断により削除される(ガイドライン違反でない限り削除されない)



【最終的に認めた事実】

閲覧者から(報告する)ボタンがクリックされる→クリックが一定数に達すれば機械的に削除される(ガイドライン違反かどうかはチェックしてない=ガイドライン違反でなくても削除される)



こんな風に書くと、「アマゾンのブックレビューなんて掲示板と同じ」「削除されるのが嫌なら自分のブログでレビューを書くべき」と言う人もいるかも知れませんが、それは認識不足です。管理人が「気に入らない」「この人きらい」のレベルで削除することも予測できる個人の掲示板と違い、アマゾンは自らガイドラインを設け「健全性」を謳い、私に問い合わせに対しても「ガイドライン違反のレビューでない限り削除されない」と案内していたのです。



特に問題なのは、ガイドラインを公開することで、ここには言論の自由があると思わせ、公正性を偽装していることです。そしてガイドライン違反でないレビューを数の論理で削除させていながら、そのしくみをユーザーに公表していない点にあります。事実、以下のメールのやり取りから2年経った今でも、依然として実体のないガイドラインを掲載し続けています。



アマゾンからの最終回答には正直、愕然とさせられましたが、私はすぐにブログに掲載することはしませんでした。このシステムを悪用する人間がこれ以上増えてほしくなかったからです。それでも今回このメールを公開したのは、やはり少しでも多くの方に本当のことを知ってもらった方がよいと考え直したからです。



Date: Tue May 23 11:56:18 UTC 2006

Subject; カスタマーレビュー

To: int-community-help__5a5b5c@amazon.co.jp

From: yamaki622@yahoo.co.jp

      • ------------

05/23/06 20:56:00

名前:yamaki


「『マンガ嫌韓流』のここがデタラメ」のレビューを5月10日からずっと拝見しているのですが、どんどんレビューが削除されています。ガイドラインに違反するものは削除されて当然ですが、何の問題も感じられないものまで削除されています。試しにGoogleで「amazon 嫌韓流 デタラメ レビュー」と検索してみてください。検索結果の一番はじめのものをキャッシュで見てみると削除されたレビューが確認できます。至急対応いただくようお願い申しあげます。



Date: 23 May 2006 17:09:18 -0700

To: yamaki622@yahoo.co.jp

From: "Amazon.co.jp Customer Service" <cs.no-reply@amazon.co.jp>

Subject: Amazon.co.jpへのお問い合わせ



Amazon.co.jpにご連絡いただき、ありがとうございます。

当サイトでは、カスタマーレビューフォーラムを該当商品に対します建設的な意見を述べる場と考えており、批判的であるか賞賛であるかを問わず、商品内容自体に対しましてのご意見の場合には、サイトの大切な一部と考え、レビューを掲載させていただいております。



しかしながら、カスタマーレビューを投稿いただく際の参考に、Amazon.co.jpではカスタマーレビューガイドラインを設けており、申し訳ないのですが、このガイドラインに触れると判断されました内容や表現が含まれているレビューにつきましては、カスタマーレビューの場の健全性を保つため、恐れ入りますがご提供させていただいておりますAmazon.co.jpの裁量および判断により、編集または非掲載とする場合がございますことをご理解いただければ幸いです。



レビューガイドラインは、下記のURLからヘルプページにリンクしてご覧いただけます。


Amazon.co.jp

カスタマーサービス

押見

  • 最終更新:2009-02-08 14:34:31

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