独島侵略へと続く日本教科書の歴史歪曲を決して黙過することはできない

独島侵略へと続く日本教科書の歴史歪曲を決して黙過することはできない

 2001年、韓国とアジアの国々、そして日本社会における最大の争点は日本の「新しい歴史教科書をつくる会」(以下、つくる会)がつくった中学教科書での歴史歪曲であった。彼らの歴史歪曲は、韓国をはじめアジア各国の反発と日本社会の健全な市民運動勢力の強力な闘いにより、大きな威力を発揮することはできなかった。ところが、私たち皆が憂慮していた通り、彼らは再び歴史を歪曲しようとしている。昨年、つくる会の教科書が採択率0.039%という惨敗を記録した時点ですでに、つくる会がわは「4年後のリベンジ」を誓った。だが、その「リベンジ」は、はるかに早く試みられている。そればかりか、今回は彼らの軍国主義復活の刃先をよりはっきりと表している。

軍国主義の復活は領土に対する野望として現れている
明成社から出された問題の教科書の最後の項目は、「現代日本の課題と文化の創造」となっている。その項目の第一には、平和憲法改定の必要性を主張しており、第二には他国の脅威から固有の領土を護るべきだという主張をしている。結局、憲法改定を通して日本が再武装するべきで、その力で周辺国からの脅威により「強制占領」されている領土を取り返さなければならないという論理である。彼らは具体的に「わが国固有の領土が他国の脅威にさらされている現実をみのがしてはならない。北方領土はロシアに占領されたままであり、韓国が島根県の竹島の領有権を、また中国などが沖縄県の尖閣諸島の領有権を主張している」と記述している。
日本の右翼勢力が教科書での歴史歪曲を通して目指していることは、軍国主義と皇国史観復活であることは、すでに何度も指摘されている。それが、今回の明成社の教科書においては、その具体的な任務として独島に対する領有権をはっきりと主張しているのである。

日本政府は本当にアジアの平和を望んでいるのか
 日本政府は独島に対する記述が深刻な外交的紛争を呼び起こす問題であることを、常識的に知っているはずである。それにもかかわらずこの記述に対して修正の指示さえ出していないのである。日本政府が国際社会に対する役割という名目で自衛隊の海外派兵を主張し、それを食い止めている平和憲法を改定するべきだという立場を堅持しているということは、「国旗国歌法」の成立や「周辺事態法」の制定により、すでにこの間、証明されてきた事実である。そして今や、そこから更に進んで、独島をはじめとする領土紛争へと水位を高めようとしている。
 2002年の韓日関係においては、「教科書事態」にもかかわらず、ワールドカップを前にした和解ムードがつくられている。韓日の市民社会がそれだけ成熟してきたということを示すものであろう。このような状況で、日本政府が問題の教科書を検定合格させたことは、両国間の友好的雰囲気をいいことに、韓日間の懸案としてのこっている独島問題をそれとなく公式化しようという意図を表したものとしか捉えられない。明成社の歴史教科書の検定合格は、日本が真に望んでいることが、平和と共存による21世紀アジアの平和な秩序ではなく、軍事的優位を先立てた力による秩序であることを、はっきりと示している。

教科書で教えるべきことは、侵略野望ではなく、過去の歴史に対する反省である!
 明星社の教科書で主張していることは、すでに、つくる会の教科書で主張されたことの高校向け再生版である。皇国史観を主張し美化するという面では、むしろつくる会の教科書以上である。彼らは教科書記述の所々で、1920、30年代の軍国主義日本がつかっていた用語をそのままつかっている。また、暗に、彼らの「華やかだった時期」を賛美している。彼らは太平洋戦争を侵略と規定せず、アジアへの「進出」として教えようとしている。甚だしくは、その「進出」による植民地での近代化を美化している。彼らの教科書に、日本軍「慰安婦」に関する記述や、徴用・徴兵など強制動員の被害者、そして虐殺された人々の苦痛が記されることは当初から不可能なことだった。
一方彼らは、アメリカが太平洋戦争を誘導したように、また自らは無慈悲なドイツのユダヤ人虐殺とは質的に異なる占領政策を駆使したのであり、殺害の最中にもそれを防ごうとした「善良な日本人」がいたという事実を本質的な部分として美化している。この過程で天皇は「大東亜戦争」の求心点だったのであり、終戦の「聖断」を下した「英雄」となっている。
 彼らの思考においては、彼らの戦争犯罪を問うた「東京裁判」が正当なものとして受け止められるはずはない。彼らは敗戦以後、アメリカによって「強要された」新しい憲法やその秩序を、日本社会の発展を妨げている「悪」として認識するよう強要している。当然ながら、彼らは全ての悪の根元である「平和憲法」をなおしてこそ、自衛隊の海外派兵などを通して国際社会に貢献するための道が保障されると主張する。
 植民地支配の苦しみをすっかりそのまま抱えて生きるアジアの市民として、私たちはユダヤ人虐殺のような罪を犯したことがないため、謝罪することも、賠償することもないという彼らの主張を受け入れることはできない。彼らが美化している「大東亜戦争」の「崇高な志」を到底理解することができない。むしろ、再びそのような痛ましい過去をくり返さないことを望むばかりだ。日本が真に、アジアの人々に理解を得ることができる道は、侵略にまみれた過去に関する謝罪しかない。アジアにおける平和共存は、日本が自らの子孫に対し、誤った過去の歴史と、そのことをくり返してはいけないという教訓を教えてこそ可能になる。

アジアの市民は決して過去をくり返さない!
 21世紀の平和共存のアジアを熱望するアジアの全ての国々の市民は、過去の日本による侵略を、許すことはできても忘れることはできない。ましてや、そういった過去をくり返すことはできない。すでにアジアの市民たちは、2001年の教科書事件を通して連帯の枠をつくりあげた。また、お互いの意思疎通と団結の大切さを、身をもって自覚している。日本政府は自らの歴史歪曲が激しくなればなるほど、連帯の力は強まるということを忘れないで欲しい。
 日本の教科書を正す運動本部は、2001年より更に強固な闘いをもって、より強力なアジア連帯を通して、日本の歴史歪曲に対応していくことを明らかにする。

2002年4月9日
韓国・日本の教科書を正す運動本部



TITLE:独島侵略へと続く日本教科書の歴史歪曲を 決して黙過することはできない


  • 最終更新:2009-03-08 14:33:17

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード