町村長官の不可解で矛盾した釈明

2008年08月04日
竹島(=独島)問題 町村長官の不可解で矛盾した釈明

8/1のエントリーでは、アメリカ地名委員会(BGN)が竹島(=独島)を韓国領と表記していた件をお知らせしました。今回は、それに関連した町村信孝官房長官の矛盾した発言を批判していきたいと思います。


産経新聞 7月31日(ウェブ魚拓)より

  •  【竹島問題】町村長官「抗議は必要なし」 米の竹島「韓国領」表記再変更
    •  米政府機関が竹島(韓国名・独島)の帰属先を再び「韓国」に戻したことについて、町村信孝官房長官は31日午前の記者会見で日本政府としては特別のアクションを起こす考えはなく、米国の新たな判断に期待する考えを示した。
    •  町村長官は「米政府の1機関がやることに、あまり過度に反応することはない」と言明。同時に「(米政府の)結論ではない」とした上で「(竹島問題の帰属先について)米政府は中立的な立場を強調している。今回は米国の立場の変更を意味するものとは受け止めていない」と述べた。
    •  また「(米側は)改めて全体を精査すると(言っている)。精査する過程でとりあえず『中間的』な表記に戻したということなので(今後)どのような表現になるか、またいずれ出てくるのだろう」との見通しを語った。
    •  一方、帰属先を韓国に戻したことがブッシュ大統領側の指示だったことを踏まえ、福田康夫首相が抗議を行う意思があるかどうかについては「ない。なぜ必要なのか」と反論した。


 
そもそも日本政府は『韓国による竹島の占拠は、国際法上何ら根拠がないまま行われている不法占拠』(外務省ホームページによる)と主張しています。そこまで言うのならば、日本領土ということを国際社会にアピールしていくためにも、今回の件をアメリカに抗議しても良さそうなものですが、町村長官は「過度に反応することはない」などと述べ、アメリカのリップサービスに過ぎない"中立的な立場"に満足してしまっています。



もしも「竹島(=独島)は日本領である」という確信が本当にあるのならば、過度に反応せずとも冷静に「遺憾の意」の表明をすることぐらいできたでしょうし、町村長官の対応は非常に不可解で矛盾しています。これだから、日本政府の領有権主張は、国内のエセ愛国者を煽って国内問題から目を逸らさせるためではないかと邪推したくもなるのです。



それに「とりあえず『中間的』な表記に戻した」(アメリカ側の見解ですが)と述べている点も意味不明です。中間的な表記ならば「主権未指定」のままであるはずなのですが、実際にはアメリカ地名委員会(BGN)は、竹島(=独島)の帰属先を「韓国」→「主権未指定」→「韓国」にしています。帰属先が一度も「日本」になったことがない点も重要ポイントです。



また、町村長官は「米政府は中立的な立場を強調している」「今回は米国の立場の変更を意味するものとは受け止めていない」と述べていますが、日本政府が竹島(=独島)を日本領とする最大の根拠として、米国のラスク書簡によって韓国領が否定されたことを挙げています*1。つまり、日本政府がこれまで、国民に説明してきたことと明らかに矛盾しているわけです。

 
 

 *1:最近、韓国史研究者であるロプモ氏によって「アメリカ大使館の秘密書簡」が発見され、ラスク書簡によるアメリカの見解は変更されていたことが明らかになっています。7/22のエントリー参照。





  • 最終更新:2009-02-07 21:34:34

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