竹島領有権問題  歴史感情もつれ複雑化

竹島領有権問題  歴史感情もつれ複雑化

2008年7月22日 紙面から

 韓国との間で再燃した竹島(韓国名・独島)の領有権をめぐる問題は、今後の外交日程にも影響が及び始めた。領有権問題は百年余りの経緯をさかのぼる必要があり、韓国内の対日歴史感情のもつれが、問題を一層複雑にしている。 (吉田昌平)

 問 日本政府は竹島を「歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかにわが国固有の領土」と位置付けているんだね。

 答 政府が一九〇五年に竹島の領有を閣議決定したことに由来している。その後も、五一年にサンフランシスコ平和条約が締結された際、韓国は日本が放棄すべき領土に竹島を含めるよう要請したが、米国がこれを拒否していることなどが、日本の主張の根拠になっている。

 問 でも今は韓国が実効支配している。

 答 その通り。五二年に当時の李承晩(イスンマン)大統領が突然、「李承晩ライン」といわれる線引きで、竹島を韓国領に取り込んだことを宣言。五四年には「竹島を日本の侵略から守るため、駐留部隊を急派した」と発表し、今も韓国の警備隊が常駐している。

 問 外交交渉は行われていないの。

 答 日本は韓国の「不法占拠」を主張しているから、国際司法裁判所への領有権問題の付託を提案しているが、韓国と合意に至らない。同裁判所への提訴は、双方の紛争当事者の合意が前提になっているからね。

 問 韓国は今回、日本が中学社会科の新学習指導要領解説書で竹島の領有権について初めて言及したことにも、猛反発している。

 答 背景に日本への歴史感情があり、韓国にとって微妙な問題として扱われていることがある。盧武鉉(ノムヒョン)前大統領は二〇〇六年に日韓関係に関する特別談話を発表した際、日本の領有権主張を「過去の植民地の領有権を主張することだ」と厳しく批判した。日本が竹島領有を閣議決定した一九〇五年はちょうど、日韓保護条約によって韓国が日本に外交権を奪われた年にあたっているからだ。

 問 韓国にとって、日本による植民地支配と竹島問題は、密接な関係があるというわけだ。

 答 でも、日本政府は「竹島は領有権の話。領有権を歴史問題と絡めるのは妥当でない」と反論している。長年かかっても問題が解決しないのは、ロシアとの北方領土問題と同じだ。だが、北方領土と違って、「歴史」をめぐる感情のもつれによって、外交関係悪化に直結してしまう構図が、竹島問題では繰り返されている。




  • 最終更新:2009-03-08 13:53:29

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